受注管理システムに関して
ITコラム 中級編

受注管理システムとは?を導入のメリット・デメリット、選ぶポイント

2021年8月23日

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商品の確保、配送の手配、注文請書の発行、顧客対応など、受注に伴う業務は複雑、かつ煩雑です。企業の規模や受注の件数によっては、こうした業務に多くのリソースが消費されてしまうことも少なくありません。受注管理システムを活用すると、多くの業務を自動化することができます。受注業務による負担が問題となっている場合は、導入を検討しましょう。

こちらでは、受注管理システムの概要や代表的な機能、知っておいていただきたいメリット・デメリットについて紹介します。

受注管理システムとは?

数多くの受注に対応する上では、受注管理システムが役立ちます。以下では、受注管理システムの概要や、多くの業界で求められている背景について解説します。

受注管理システムの意味

受注管理システムは、受注管理業務を効率化するためのシステムです。受注管理業務とは、顧客からの注文を受けてから出荷までの業務のことを指します。本来は注文を受ける業務のみを指していましたが、現在は出荷までの作業をまとめて「受注管理業務」と呼ばれています。製品、金銭、営業に関する情報を管理する販売管理に含まれる業務です。

注文内容の確認・入力、在庫確認、納品書作成、出荷・納品指示、顧客情報の管理など受注管理業務は多岐にわたります。受注管理システムを活用することによって、こうした作業の負担を軽減できます。

受注管理システムに限らず、多くの業界ではシステムを利用して受発注業務を効率化する試みが一般的です。受発注業務の双方をカバーする「受発注管理システム」、お金や商品の流れを管理する「販売管理ステム」があります。業務内容に合わせて適切な機能がパッケージングされたシステムを選ぶことが大切です。

受注管理システムが求められる理由

受注管理業務は複雑、かつ多岐にわたります。手作業で実施しようとすると、時間がかかるほか、ミスを招く可能性があります。このようなことから、多くの企業から問題視されています。Excelを使用した受注管理を行っている企業も少なくありません。受注管理システムによって、こうした作業でのミスが減らせるほか、作業効率を向上できます。業務全体のスピードアップも期待できるでしょう。

以前より、上述した受注管理業務の負担は受注側にとって問題となっていましたが、近年は企業が複数の販売チャネルを利用する機会が増えており、管理がさらに複雑化しています。例として、自社ECサイトだけではなく、ECモールなど複数の販売チャネルを柔軟に利用する方式が一般的になりました。これは各ECモールで顧客を囲い込む施策を打っているためです。

チャネルとは、集客するための媒体や経路のことを指します。こうした複数のチャネルによる受注を同時に管理する上でも、受注管理システムが役立ちます。

受注管理システムの主な機能

受注管理システムの代表的な機能をご紹介します。

受注管理

受注管理とは、その名のとおり顧客から来た注文の内容を処理することです。上述の通り、本来はこの業務のみを指して受注管理業務と呼ばれていました。

受注管理システム上では、注文内容を一括で管理できます。受注時に注文内容をメールなどで通知するように設定できるため、確認漏れを防止可能です。さらに、出荷予定リストを作成し、配送業者などに随時連携できるため、スムーズに配送まで移行できます。

出荷管理

出荷管理は、倉庫などで商品の入荷からピッキング、出荷までを管理する機能です。受注管理システムを導入すると、ハンディターミナルなどの機器を使うことで手作業を回避し、入力作業を効率化できます。端末でバーコードを読み込むだけで情報が自動入力されるため誤出荷などのミスが起こりにくい点が特徴です。

在庫管理

在庫管理機能を利用すれば、商品の現在の在庫数を一覧で確認できます。受注時、自動的に在庫数をリアルタイムで更新されるため、手間がかからず、正確な在庫を確認可能です。在庫切れによる注文キャンセルを防ぐこともできます。この機能に特化した、在庫管理システムも一般的です。

受注管理システム導入のメリット・デメリット

受注管理システムの導入には、豊富なメリットの一方でデメリットもあります。双方を理解して、導入の必要性を判断することが大切です。受注管理システム導入のメリット・デメリットをご紹介します。

メリット

  • 業務の効率化

受注管理システムによって、受注管理業務の一部のプロセスを自動化可能です。注文内容の確認・入力、在庫確認、納期の連絡、出荷の指示などをすべての受注処理を自動化できるため、受注側の工数が大幅に削減されます。発注件数が多い企業はシステム導入による恩恵が大きいといえます。シーズンによる急激な発注件数の増加にも対応可能です。

また、複数のECサイトやモールなどの受注管理を一括で行うことができます。受注情報を一括管理できるため、複数のチャネルを利用している場合には特にメリットが大きいといえるでしょう。

  • 長期的なコスト削減

受注管理・販売管理における業務の多くが自動化されるため、少ない時間で業務を遂行可能です。少人数の担当者で対応することもできます。人件費の削減が期待できます。別の業務にリソースを割いて、生産性を向上させるといった施策も可能になります。

帳票のやり取りをFAXや郵送で行っている場合は、受注管理システムを導入することでペーパーレス化も実現可能です。用紙代・印紙代を節約できるため、実費の負担を軽減できます。顧客とのやり取りはスピーディーになり、システム上に記録が残るため、コミュニケーションコストの軽減、トラブルの防止にもつながるでしょう。

  • ミスの防止

受注管理システムの一部のデータ入力作業は自動化されています。そのため、転記ミスなどのヒューマンエラーを防ぎやすいです。受注管理業務におけるミスは不必要な入荷、それによる在庫管理コストの増加など損害が大きいため、こうしたミスを軽減できる点は安心につながります。

  • 素早い出荷・納品

受注管理システムにより、業務間の連携がリアルタイムで行われるようになります。受注から出荷までの作業がスピーディーになるため、リードタイムを短縮し、迅速に集荷・納品まで移行できます。

BtoC、BtoBの双方において、現在は商品を提供するサービスが乱立しています。顧客が各サービスを評価するひとつの指標がリードタイムです。即日出荷・短納期を強みとして打ち出せば、競合との差別化も可能です。

デメリット

受注管理システムの導入時には、初期費用やシステム利用料など一定のコストがかかります。事前に費用対効果が合うかシミュレーションしておくことをおすすめします。クラウド型の受注管理システムの場合、月額費用での請求のため、コストシミュレーションが容易です。

また、新しいシステムを現場に導入する際は、担当スタッフが操作に慣れるまで時間がかかります。教育・研修のコストも考慮しなければなりません。一方で、多くのシステムはさまざまなリテラシーのユーザーを想定し、直感的に操作できるユーザーインターフェースが採用されています。

受注管理システムでは、システム上で顧客とのコミュニケーションを行うことも可能ですが、直接のコミュニケーション量が減ると、顧客との関係が希薄化する場合があります。特に、電話受注の窓口にしていた場合は、システムに移行することで顧客との関係性が希薄にならないように注意が必要です。必要に応じて、メールやDMでのフォローアップを行うなど、客層に合わせた施策が求められます。

受注管理システムを選ぶポイント

多くの受注管理システムが提供されているため、自社に合ったものを見つけるのが難しいと感じるかもしれません。以下では、選び方に悩んだ際に参考にしていただきたい、判断基準となるポイントをご紹介します。

機能

多くの事業者がSaaSの受注管理システムを提供していますが、それぞれ搭載されている機能が異なります。導入前に自社にとって必要な機能があるか確認しておきましょう。導入検討前に自社の業務フローを洗い出し、効率化したい業務範囲を確定しておくことをおすすめします。自社に適したシステムが見つからない場合は、オンプレミス型のシステムを開発することも視野に入れましょう。

操作性

システムを実際に操作することになるのは、現場のスタッフです。現場が使いやすいシステムでなければ有効活用できません。現場スタッフのリテラシーに合わせて操作が簡単なシステムを選びましょう。ヒューマンエラーを防止できるのが受注管理システムのメリットですが、使い勝手が悪いと誤った操作方法でミスを起こすことがあります。

現場に合ったシステムか確認するためには、実際に利用してみる、現場のスタッフに使ってもらうことがおすすめです。無料お試し期間などを利用すれば、操作性を確認できます。多くのシステムは無料体験版が用意されているため、ぜひダウンロードしてお試しください。

料金体系

受注管理システムの料金体系は、従量課金制と定額制に分けられます。従量課金制は受注件数に応じて利用料金が上がる料金体系です。対して、定額制は受注件数に関わらず料金が一定であり、多くの場合は月額で使い放題です。受注件数が少ない場合は従量課金制のほうがコストを抑えられることが多いです。

一方、定額制であれば使い放題なため、取引先や受注件数が多い場合はお得です。想定される自社の受注件数からコストシミュレーションを行い、お得になりやすいプランを選びましょう。

サポート体制

システムを導入してしばらくは、操作方法や設定の変更方向などでわからないことに直面することが予想されます。そのため、ベンダーのサポート体制は重要な判断基準となります。

導入時だけでなく、その後も相談できる体制があるか確認しておきましょう。また、メールやチャット、電話など問い合わせの方法や、サポートの営業時間についても要確認です。

他のシステムとの連携

自社で使用している既存システムやツールがある場合は、それらとの連携のしやすさを考慮して受注管理システムを選びましょう。各店舗やECオールの発注情報管理にそれぞれシステムを使用している場合は、すべての情報を一元管理しやすいシステムを選ぶことをおすすめします。

自社に合うシステムが見つからない場合は、システム開発を依頼する方法があります。開発する場合は、自社の業務や既存システムに応じて、自由にカスタマイズ可能です。

受注管理システムで工数を大幅に削減可能

受注対応の一連の業務をシステム化できる受注管理システムについてご紹介しました。これまで受注で発生していた業務負担を大きく軽減できます。リソースに余裕が生まれれば、他の業務に配分することも可能です。納期も早くなるため、満足度の向上も期待できます。クラウド型が受注管理システムは既に多くの導入実績があるため、まずは自社に合うシステムを提供しているベンダーがないか探してみてください。

予算が多く、自社の業務や既存システムにしっかりと連携できる受注管理システムが求められる場合は、開発をするという選択肢もあります。新しく受注管理システムを開発する場合は、開発コストがお得なYAZをご検討ください。

この記事を書いた人

ITコラム部YAZ

YAZ ITコラム部

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