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多くの企業で推進され、取り組みが進められているDX(デジタルトランスフォーメーション)。最新のIT技術やデータを活用することで、業務そのものやビジネスモデルの変革を目指します。
しかし、日本ではDXの取り組みをリード・実行する人材(=デジタル人材)が不足しており、時代の変化に対応できていない企業も少なくありません。
そこで今回は、デジタル人材の基本的な知識や求められる知識・スキル、今後新たに人材を確保する方法などを解説します。
デジタル人材の基礎知識
デジタル人材は、既存のビジネスモデルを変革するために欠かせない存在です。DXをはじめとしたIT時代の新たな潮流に乗り遅れないためにも、デジタル人材の理解を深め、採用や人材育成に活用しましょう。
ここでは、デジタル人材の基本的な知識を解説します。
デジタル人材とは?
デジタル人材とは、ITに関する知識やスキルを有し、デジタル技術やデータ活用などを強みとしている人材のことです。主に、IoTやAI、ビッグデータ、クラウドなどを使いこなす人材を指します。デジタル人材は、企業のDX推進の文脈では、プロジェクトの統括においても能力を発揮することが求められます。
DXとは、「Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)」の略語です。
経済産業省が公表したガイドラインでは、DXは「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」と定義。デジタル人材は、IT技術とビジネススキルを連携させ、企業のDX推進をリードする役割を担います。デジタル時代へ突入し、近年多くの企業がデジタル人材を求めています。
政府ではデジタル人材の育成を2022年からの5年間で230万人育成することを目標としています。
その育成方法として、デジタル人材育成プラットフォームの構築や職業訓練でのデジタル分野の重点化、リカレント教育を含む大学など高等教育機関での教育などが挙げられています。
リカレント教育とは社会人が仕事に必要な能力を高めるため、必要に応じて学習することを指します。
企業がDX推進に取り組む重要性
企業がDX推進へ取り組むことで、CX(顧客体験)を最大化できるのがメリットです。
顧客や社会のニーズに応えて、新たな製品・サービスを提供できる可能性が生まれます。売上アップや顧客満足度の向上にもつながるでしょう。
特に、企業のDX推進を中心的に担う人材は「DX人材」と呼ばれます。
主なDX人材の種類には、プロデューサーやビジネスデザイナー、アーキテクト、データサイエンティスト/AIエンジニア、UXデザイナー、エンジニア/プログラマーなどが該当します。
デジタル人材に求められる知識とスキル
最新のデジタル技術を駆使し、企業経営の効率化や事業成長につなげるためにも、デジタル人材には幅広い知識やスキルが求められます。ここでは、代表的なものを5つご紹介します。
ITの知識
デジタル人材には、ITの仕組みを理解できる基礎知識のほか、ITに関連する幅広い領域の知識が求められます。
例えば、デジタルリテラシーやITトレンド、最先端のテクノロジーに関する知識などが当てはまります。常に更新されるITの最新情報にアンテナを張り、自社の活動に生かす貪欲さも必要です。
また、DX推進の観点では、直接的にITの分野に携わらない職種においても、ITの基礎知識が求められます。多様なデジタル人材と連携しながらプロジェクトを成功へと導く必要があるためです。
UX・UIの知識
デジタル人材には、UXやUIなど自社の顧客に与える価値を重視し、ユーザーの体験を向上させるための知識も必要です。
UXは「User Experience」の略称で、ユーザーが商品やサービスを通して得られる体験のこと。ユーザーのCX(顧客体験)を評価する際に用いられる概念です。
顧客体験とは、商品・サービスの購入前から購入後までに至る、すべての体験を指します。
UIは「User Interface」の略称で、ユーザーと製品・サービスの接点を意味します。製品の外観やWebサイトのデザインなどが代表例です。
UIの質やデザインが良ければUXは高まりやすいことから、UXの一環として捉えられる傾向にあります。
プロジェクトマネジメントスキル
DXは、ITツールの導入やサービスのデジタル化だけで実現できるものではありません。
現状のビジネスに対する課題を把握し、PDCAを回しながら施策を実行する必要があります。
そのため、DXを推進するデジタル人材には、現場が変化する中でも業務を適切にマネジメントする能力が求められます。
今までDX関連のプロジェクトに携わったことがない人材でも、従来の業務で培った問題分析能力やスケジュール管理能力が役立つケースは少なくありません。
コミュニケーションスキル
DXの推進は全社的に取り組むプロジェクトになるため、普段は関わりの少ない部署や外部の企業、フリーランスなど、さまざまな人材と協力することが想定されます。
そんなときに求められるのがコミュニケーションスキルです。
デジタル人材はDX施策の中心的な役割を担うため、上記関係者と密にコミュニケーションを取り、問題が発生した際は間に入って解決に尽力する必要があります。
ファシリテーションスキル
ファシリテーションとは、会議やミーティングを円滑に行うための調整能力のこと。
DXをはじめとした大きなプロジェクトを実行するには、多くのステークホルダー(利害関係者)がいるため、それぞれに理解してもらう必要があります。
そこでビジネス人材には、会議前の根回しや進行管理、議題のエスカレーションなどを通して関係者に取り組みを理解してもらい、行動に移してもらう役割が求められるのです。
特にプロデューサーやビジネスデザイナーにとっての必要スキルの一つです。
企業がデジタル人材を確保するには?
企業がDX戦略を推進する場合、社内のデジタル人材を中心に取り組みを進めるのが理想です。しかし、人手不足やリソースの問題で人材育成が進んでいないケースも少なくありません。
企業が新たにデジタル人材を確保するには、どのような手段があるのでしょうか。ここでは3つの方法をご紹介します。
採用
転職を検討しているデジタル人材をターゲットに、戦略的に採用する方法です。一般的に、デジタル人材の採用コストや希望年収は高い傾向にあります。
世界的なデジタル化の加速を背景に、業界や業種を問わずに需要が高まっており、採用市場で他社との競争が激化しやすいのが理由です。
デジタル人材を採用する際は、求人募集をかけて応募を待つ手法よりも、企業側からアプローチする手法が有効とされます。
具体的には、ダイレクトリクルーティングやリファラル採用などの手法があります。
育成
自社のビジネスに精通した既存の従業員がDX人材となるようスキルアップを図る方法です。外部の人材を新たに採用する場合と比較して、効率的にDX人材を確保できます。
より実践的な人材を育てるには、社員がITの知識やスキルを習得できる環境を整えることが重要です。
例えば、体系的に学べる社員研修やオンライン学習の導入、デジタル人材による実践的なOJTの実施などが挙げられます。
社員の学びをサポートすることで、デジタル人材への成長が期待できます。
アウトソーシング
デジタル人材に社内の業務をアウトソーシングする方法です。専門的知識を持つ人材を必要な期間だけ活用できます。
経験豊富なベンダーやコンサルティングファームなど、外部のパートナー企業へ業務をアウトソーシングする形でDXを進めることも可能です。
例えば、CXの向上につながる新商品・サービスのシステム開発を外部パートナーへ依頼し、自社のDX推進を後押しする方法などが考えられます。初めてのシステム開発では、フォロー体制が手厚く、担当者とのコミュニケーションが充実しているパートナー企業を選ぶと安心につながります。
アウトソーシングであれば、ITに関する高度な知識やスキルが求められる場面でも即戦力となる人材を確保しやすく、社内のデジタル人材不足の課題に対応できるのがメリットです。
デジタル人材を確保してDX戦略を推進しよう
今回は、デジタル人材の概要やDX戦略における重要性、人材を確保する方法についてお伝えしました。
現代のビジネスシーンでは、テクノロジーやIT技術の発展が著しく、それを使いこなすデジタル人材の需要が高まっています。
DX戦略を促進し、業務の効率化や事業成長につなげるためにも、デジタル人材の育成や確保に注力することが重要です。
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